独製薬・化学大手のバイエルは14日、農業化学大手の米モンサントを買収することで合意したと発表した。買収額は最大660億ドル(約590億ユーロ)で、ドイツ企業による外国企業買収では過去最大規模となる。
バイエルは株式公開買い付け(TOB)を通じて、モンサントを買収する。1株当たりの買い取り価格は128ドル。2017年末までの買収手続き完了を見込んでいる。
バイエルは5月にモンサント買収を表明。当初の買収額は1株当たり122ドルだったが、モンサントが拒否したため、7月に125ドルに引き上げた。それでもモンサントが応じないことから、最終的に128ドルまで引き上げ、同意を取り付けた。同価格はバイエルが買収案を提示した前日(5月9日)の終値を44%上回る水準となる。
買収が実現すると、バイエルの農業化学部門クロップサイエンスの売上高は104億ユーロから2倍強の230億ユーロ(15年ベース)に拡大し、同分野で圧倒的な首位メーカーとなる。クロップサイエンスの本社は引き続き独モンハイムに置くものの、モンサントが強みを持つ種子事業については米セントルイスにあるモンサントの本社を統括拠点とする。
バイエルは規制当局が買収を認めなかった場合、違約金20億ドルを支払うことも明らかにした。7月の時点では同15億ドルを提示しており、5億ドル引き上げた。