ロイズ保険組合がEUに拠点設立か、英の離脱決定で

世界最大級の保険引受組合である英ロイズ・オブ・ロンドン(ロイズ保険組合)は、英国のEU離脱決定を受けて、EU内に拠点を設け、業務の一部を移管することを検討している。インガ・ビール最高経営責任者(CEO)らが22日、一部のメディアに明らかにした。

EUでは金融や保険会社などが加盟国のうち1カ国で認可を取得すれば、域内全域で活動することができる「パスポート制度」が導入されている。ジョン・ネルソン会長はロイター通信に対して、英政府とEUが来年に開始する離脱交渉の結果、英企業が同制度を利用できなくなる可能性があると指摘。ロイズ保険組合が不測の事態に備えた緊急対策として、離脱交渉の開始に先立ち、業務の一部を他のEU加盟国に移管する予定であることを明らかにした。

ネルソン会長は同計画の詳細を伏せているが、ビールCEOが英BBCに明らかにしたところによると、EUの各加盟国に支社を設立するか、EU全域を統括する子会社を設立することを視野に入れている。コスト面から統括子会社案が有力という。また、同CEOはロイズ保険組合がパスポート制を利用できなくなった場合、売上高の4%に相当する損失が出るとの試算を示した。

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