独化学大手ランクセス、米ケムチュラを買収

独化学大手のランクセスは9月26日、米同業ケムチュラを買収することで合意したと発表した。ケムチュラは潤滑油・難燃剤向け添加剤の大手で、ランクセスは買収によって世界有数の添加剤メーカーになるとともに、北米事業を大幅に強化する。

ランクセスはケムチュラを株式公開買い付け(TOB)を通じて買収する。1株当たりの買い取り価格は、前営業日(23日)の終値に18.9%を上乗せした33.50ドル。全株式を取得した場合の買収額は約24億ユーロに上る。ランクセスによる買収では過去最大規模となる。2017年半ばの買収手続き完了を見込んでいる。

ケムチュラは世界11カ国の20カ所に事業拠点を持つ。従業員数は約2,500人。2015年の売上高は15億ユーロ、営業利益は2億4,500万ユーロだった。

ランクセスはケムチュラの添加剤事業を自社の特殊添加剤事業(ADD)と統合するほか、ウレタン、有機金属化合物事業を取り込む。相乗効果は2020年までに1億ユーロに達すると見込んでいる。

ランクセスは主力の合成ゴム事業の不振を受けて、同事業を4月1日付でサウジアラビア国営石油会社のサウジアラムコとの合弁会社に転換。これに伴って生じた12億ユーロの利益の一部を買収に充て、事業多角化を進める方針を打ち出しており、これまでに米ケマーズの消毒・衛生用品事業を2億1,000万ユーロで買収すること決めている。

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