ビール世界最大手のアンハイザー・ブッシュ・インベブ(ABインベブ、本社ベルギー)が同2位の英SABミラーを買収する計画が、両社が9月28日にそれぞれ開いた株主総会で承認された。これによって同買収は最後のハードルを突破し、10月10日に手続きが完了する予定だ。
インベブは昨年11月、SABを710億ポンド(当時のレートで約1,120億ユーロ)で買収することで合意。世界のビール市場で約3分の1のシェアを握る巨大ビール会社が誕生することになった。
インベブは競争上の問題をはらむ同買収を実現するため、両社の資産の一部を売却することを決め、すでにEUや米国など関係国・地域の当局の承認を取り付けており、株主による承認が最後の難関となっていた。
同社はSABの大株主が英国のEU離脱決定でポンドが下落し、米ドル換算の買収額が目減りしたとして不満を示したことから、同株主ついては現金と株式交換を組み合わせた形で持ち株を取得することで7月に合意。買収額は790億ポンドに引き上げられた。これによって大株主の支持を取り付け、株主総会を乗り切った。