遺伝子組み換え作物の認可、欧州議会が反対決議

欧州議会は6日の本会議で、EU域内における遺伝子組み換え(GM)作物の栽培およびGM作物を原材料とする製品の販売認可に反対する決議案5件を賛成多数で採択した。決議に法的拘束力はないが、認可の可否について欧州委員会が最終的な決定権を持つ現行システムの見直しも求めている。

決議はGMトウモロコシ「Bt11」「1507」「MON 810」(種子・製品)と、GMワタ「MON 88913系統」に関するもの。スイスのシンジェンタが開発した害虫抵抗性・除草剤耐性トウモロコシ「Bt11」とダウ・ケミカルの同「1507」に関しては、標的以外の蝶や蛾に害を及ぼす可能性があるとして、域内での栽培を認可すべきではないと主張している。

一方、米モンサントの害虫抵抗性トウモロコシ「MON 810」はすでに域内での栽培が認められているが、土壌細菌が生産する殺虫性物質(Bt-トキシン)が人体や環境に及ぼす影響について十分なデータが示されていないと指摘し、認可の更新を見送るよう求めている。

さらに、欧州委は「MON 810」とモンサントの除草剤グリホサート耐性ワタ「MON 88913系統」を原材料とする製品の販売認可を提案しているが、決議はEU加盟国を代表する専門家の意見が反映されず、欧州委が最終的な判断を下す現行システムを問題視し、欧州委に対して意思決定プロセスを見直すよう求めている。

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