EUは10日にルクセンブルクで開いたユーロ圏財務相会合で、債務危機に陥っているギリシャに11億ユーロの追加融資を実施することを承認した。ギリシャが金融支援の見返りとして求められている構造改革を進めていると評価したためで、ユーロ圏の金融安全網である欧州安定メカニズム(ESM)が月内に開く理事会での承認を経て、融資を実行する。
ギリシャは昨年7月、ユーロ圏から総額860億ユーロの第3次金融支援を取り付け、これまでに335億ユーロの融資が実行された。今回の融資は5月に決まった103億ユーロの追加融資のうち、まだ実行されていない28億ユーロの一部。ギリシャ政府が年金制度、国営企業の民営化など構造改革を約束通りに実施していると判断し、実行を承認した。
残る17億ユーロの融資については、ギリシャ政府による民間企業への支払いの滞納状況を見極める必要があるとして、実施を見送った。関連データを収集した上で可否を判断する。ユーロ圏財務相会合のデイセルブルム議長は「問題はないと確信している」と述べ、ESMが月末の理事会で11億ユーロの融資と同時に承認するとの見通しを示した。