独製薬大手のベーリンガー・インゲルハイムは5日、米国の動物用医薬品事業の一部を米イーライリリーに売却することで合意したと発表した。取引金額は8億8,500万ドル。ベーリンガーは仏サノフィの動物薬事業を取得する条件として、一部事業の放出を独禁当局から義務づけられており、これに従って今回の取引を実施する。来年初めの売却手続き完了を見込む。
イーライリリーに譲渡するのは犬・猫向けのワクチンと狂犬病ワクチン事業、生産・研究拠点1カ所で、ベーリンガーは米ワイスから2009年に取得した同子会社フォートダッジ・アニマルヘルスの米国事業の大部分を手放すことになる。現地の小動物治療薬、家畜薬事業は手元に残す。
ベーリンガーとサノフィは6月に事業交換で合意。ベーリンガーはサノフィの動物薬部門を取得し、代わりに大衆薬部門をサノフィに譲渡した。評価額はベーリンガーの大衆薬部門が67億ユーロ、サノフィの動物薬部門が114億ユーロで、ベーリンガーは差額の47億ユーロをサノフィに支払った。