自動車部品大手の独ボッシュは13日、自動車関連などのシステム・ソフト開発を手がける独ITKエンジニアリングを完全買収することで合意したと発表した。自動運転やモノのインターネット(IoT)などで重要性を増すソフト開発の分野で競争力を高める狙いがある。買収金額は明らかにしないことで合意した。取引の成立には独禁当局の承認が必要となる。
ITKは1994年に創業。西南ドイツのリュルツハイムに本社を置く。自動車のほか医療機器、鉄道機器業界向けに開発サービスを手がけている。ドイツとオーストリア、スペイン、日本、米国に事業拠点を持つ。昨年の売上高は6,700万ユーロだった。ボッシュはITKを開発サービス子会社ボッシュ・エンジニアリングの傘下に組み込む。
ボッシュ・エンジニアリングは高額な少量生産車向けにシステム・ソフトの開発サービスを手がけている。世界9カ国に15拠点を展開。従業員数は2,200人に上る。ITKの買収により自動車業界向け事業を強化するとともに、他の業界にもサービスを拡大する。
ITKはグローバルに事業を展開するボッシュの傘下企業となることで、事業の国際化を推進する。
ドイツの自動車メーカーや有力サプライヤーは自動運転やコネクテッドカーなど今後の競争力を左右する事業を強化するために、ソフト技術者の獲得に注力している。ボッシュでは自動車分野の技術者(4万7,000人)の約3分の1をソフト技術者が占める。