独電機大手のシーメンスは14日、米デザインオートメーション・産業用ソフト大手のメンター・グラフィックスを買収することで合意したと発表した。産業ソフト事業を強化する狙い。2017年4~6月期の買収手続き完了を見込む。
シーメンスはメンターを株式公開買い付け(TOB)で買収する。買い取り価格は1株当たり現金37.25ドル。これは前営業日に当たる11日の終値を21%上回る水準で、同社を45億ドルと評価したことになる。同株8.1%を保有する米投資会社エリオットはTOBに応じる意向を表明している。
メンターは電子系設計ソフトの有力企業。世界32カ国で事業を展開しており、2016年1月通期の売上高は12億ドルだった。シーメンスは同社をデジタルファクトリー部門の製品ライフサイクル管理(PLM)ソフト事業部に統合する。
シーメンスはつながる工場「インダストリー4.0」の進展をにらんでデジタル事業を強化しており、年初には製品の開発、設計、生産から出荷後のサポートなどを手がけるPLMソフトの米CD-アダプコを買収することで合意。10日にはインフラ設計・建設・運用ソフトの米ベントレー・システムズと戦略提携した。