欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2016/11/28

EU情報

アイスランド、英食品スーパーの商標権めぐり提訴

この記事の要約

アイスランド政府は24日、英食品スーパー「アイスランド」の商標権を無効化し、アイスランド企業や同国の製品が自国の名称を使用できるよう求める訴えをEU知的財産庁(IPO)に起こした。英全土でアイスランドをチェーン展開するア […]

アイスランド政府は24日、英食品スーパー「アイスランド」の商標権を無効化し、アイスランド企業や同国の製品が自国の名称を使用できるよう求める訴えをEU知的財産庁(IPO)に起こした。英全土でアイスランドをチェーン展開するアイスランドフーズが商標権を独占的に使用しているため、自国企業が国の名前を使えず、事業活動に大きな損害が生じていると主張している。

アイスランドフーズは英西部ウェールズに本社を置き、国内で800以上の店舗を運営している。

アイスランド外務省によると、アイスランドフーズは商品やサービスが競合しない場合でも、法的措置を講じて「アイスランド企業が社名や商品名などに『アイスランド』を使用するのを阻止してきた」という。同国政府はアイスランドフーズが保有する商標権のため、アイスランド企業が自社製品を「アイスランド製」と銘打って事業を展開できない状況を問題視。解決策を求めてアイスランドフーズと協議を重ねてきたが、不調に終わったため、提訴に踏み切ったと説明している。

アイスランドフーズ側はこれに対し、「アイスランド政府が法的措置に踏み切ったことを遺憾に思う」とコメント。国としてのアイスランドと同社の事業活動の間で混乱が生じかねない領域では、「自らの権利を積極的に守る」と強調したうえで、「これまで46年間にわたり『アイスランド』の名称でビジネスを展開してきたが、それによって消費者に深刻な混乱をもたらしたとは考えていない」とつけ加えた。