経営難に陥っている伊大手銀行バンカ・モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ(BMPS)が再建策の柱として計画している大規模な増資が、24日に開かれた株主総会で承認された。これによって増資が最終決定し、年内の完了を目指して手続きを進める。
BMPSは国内3位の銀行だが、約280億ユーロに上る不良債権が経営を圧迫しており、欧州銀行監督機構(EBA)がEUの主要銀行を対象に実施した2016年のストレステスト(健全性審査)で、事実上の不合格と判定された。これを受けて同行は7月、最大50億ユーロの増資と、不良債権を証券化して売却を進める方針を打ち出した。
この新株発行による増資は、不良債権の売却で生じる損失の穴埋めなどが目的。株主総会での承認を受けて、12月7日または8日に募集を開始する予定だ。クリスマス前の完了を目指す。
BMPSは新株発行の規模をできる限り減らすため、最大53億ユーロの債券の証券化を債権者に提案することを決めており、28日に手続きを開始する方針だ。