欧州委が金融大手3社に制裁、指標金利めぐるカルテルで

欧州委員会は7日、金融大手の英HSBCホールディングス、仏クレディ・アグリコル、米JPモルガン・チェースがカルテルを結び、国際的な指標金利である欧州銀行間取引金利(EURIBOR)を不正操作したとして、総額4億8,500万ユーロの制裁金支払いを命じたと発表した。

欧州委は2011年、欧米の7金融機関が05年から08年にかけて、EURIBORのデリバティブでカルテルを結び、不正に操作した疑いで調査を開始。うちドイツ銀行、ソシエテ・ジェネラル、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)、バークレイズは13年12月、カルテルを認めて和解手続きに応じ、減額された制裁を科された(バークレイズはカルテルを最初に通報し、摘発に協力したことから制裁を全額免除)。しかし、残る3社はカルテルを否定し、和解に応じなかったことから、欧州委が調査を継続していた。

欧州委はその後の調査の結果、3社が情報を交換するなどして金利を不正操作し、利益を上げていたと認定し、制裁に踏み切った。制裁額はカルテル関与の期間が5カ月のJPモルガンに3億3,719万6,000ユーロ、クレディ・アグリコルが1億1,465万4,000ユーロ。同期間が1カ月のHSBCが3,360万6,000ユーロとなる。

3社はいずれも違法行為を否定し、欧州委の決定を不服として欧州司法裁判所に提訴する構えを示している。

上部へスクロール