欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/6/9

西欧

シェールガスからブタジエン生産へ、BASFとリンデが技術提携

この記事の要約

独化学大手のBASFは3日、基礎化学品であるブタジエンを天然ガスから製造する技術の開発で工業ガス大手のリンデと提携すると発表した。シェール革命の副作用で石油由来のブタジエンの不足が懸念されていることを受けたもの。シェール […]

独化学大手のBASFは3日、基礎化学品であるブタジエンを天然ガスから製造する技術の開発で工業ガス大手のリンデと提携すると発表した。シェール革命の副作用で石油由来のブタジエンの不足が懸念されていることを受けたもの。シェールガスを用いて生産できるようにすることで、同化学品の安定供給を確保する。両社は開発した製造技術をライセンス販売する意向だ。

ペーパーコーティング剤や合成ゴムの原料として利用されるブタジエンは、これまで原油の蒸留によって得られるナフサ(粗製ガソリン)から主に製造されてきた。ナフサからはブタジエンのほか、エチレンやプロピレンも生産される。

シェール革命の結果、天然ガス由来のエチレンの価格はナフサ由来のエチレン価格を下回るようになった。このためナフサ生産が縮小し、ブタジエンが品不足となることが懸念されている。

こうした事情を背景に天然ガスからブタジエンを量産する技術のニーズが高まっており、両社は天然ガスに含まれるブタンから中間生成物のブテンを経てブタジエンを生産する技術を開発する。BASFはプロセス技術、触媒、抽出技術を開発。リンデはプロセス統合・最適化、商業化の分野でノウハウを持ち寄る。