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2014/6/2

ロシア・CIS・その他

テスコ、トルコでの提携協議打ち切り

この記事の要約

英小売り最大手のテスコは5月27日、トルコでの提携協議を打ち切ったことを明らかにした。同社は不振が続く子会社テスコ・キパの打開策として、地場大手2社と提携し、合弁会社を設立したい考えだったが、話し合いが不調に終わり、実現 […]

英小売り最大手のテスコは5月27日、トルコでの提携協議を打ち切ったことを明らかにした。同社は不振が続く子会社テスコ・キパの打開策として、地場大手2社と提携し、合弁会社を設立したい考えだったが、話し合いが不調に終わり、実現に至らなかった。

テスコは交渉相手の具体名を伏せているが、英フィナンシャル・タイムズは2月、スーパー最大手ミグロス、同大手アナドールと協議を行っていると報じていた。

テスコ・キパは約190店舗を展開しているが、トルコ小売り市場では家族経営の小規模小売店が根を張っており、スーパー同士の競争も激化していることから、シェアは1.4%にとどまり、赤字が続いている。このため2社との提携による事業基盤拡大を目指していた。消息筋によると、アナドールとは合意したものの、ミグロスとの交渉がまとまらなかったという。

テスコは同計画を断念したことで、自力でのトルコ事業再建に取り組むことになる。市場では収益力が弱いトルコ中・東部の店舗を縮小し、西部地方の事業に経営資源を集中するとの見方が出ている。

一方、テスコは29日、香港上場の中国政府系コングロマリット(複合企業)華潤創業との中国小売り事業の統合が完了したと発表した。同社は昨年10月、華潤が80%、テスコが20%を出資する合弁会社を設立し、テスコが中国で展開する134店舗、ショッピングモール事業と、華潤傘下のスーパーチェーン「華潤万家」の2,986店舗を移管することで合意していた。