英経済が堅調維持、10~12月期も0.6%成長

英政府統計局が26日発表した2016年10~12月期の国内総生産(GDP、速報値)は前期比0.6%増で、伸び率は4~6月期、7~9月期と同水準だった。英経済は同国のEU離脱が国民投票で決定してから落ち込むとみられていたが、底堅い個人消費に支えられて堅調を維持している。

16年通期のGDP伸び率は2%。15年の2.2%を下回ったものの、先進国では最高の水準となっている。

英経済の柱でGDPの約8割を占める小売、観光などサービス業は、活発な個人消費を背景に、10~12月期に0.8%増と好調だった。製造業もポンド安による輸出拡大で0.7%増と、高い伸びを示した。一方、鉱工業は北海のバザード油田の操業停止が響き、横ばいにとどまった。建設業は0.1%増と伸び悩んだ。

英国の通貨ポンドはEU離脱が決まってから対ユーロ、米ドルでそれぞれ14%、18%の幅で下落。これが輸出、観光業の追い風となっている。ただ、ポンド安が加速すると輸入コストが膨らみ、消費を圧迫する恐れがある。今年はEU離脱交渉が始まり、景気の先行き不透明感が増すことから、消費や投資を手控える動きが広がる可能性があり、成長が鈍化するとの見方が出ている。

上部へスクロール