デンマークの製薬大手ノボ・ノルディスクは1月30日、英国で新たに立ち上げる研究開発事業に向こう10年間で1億1,500万ポンドを投じると発表した。対象となるのは英オックスフォード大学と共同で進める糖尿病関連の研究。英国はEUを離脱するものの、オックスフォード大が医療研究の世界的拠点となっていることを評価し、投資を決めた。
ノボ・ノルディスクは糖尿病治療薬で世界最大手。同社はオックスフォード大学と共同で、同校の敷地内に研究センターを開設し、2型糖尿病の新たな治療法に関する研究を行う。
英国には外資を含めて多くの製薬企業が拠点を置いている。欧州医薬品庁(EMA)の本部もロンドンにある。しかし、EU離脱によってEUから研究・開発向けの助成を受けることができなくなることなどから、研究拠点としての地位が低下し、企業が投資を減らしたり、国外に流出するとの懸念が浮上している。
それだけにノボ・ノルディスクの決定は朗報で、財務省のゴーク政務官は「英国が科学、研究で世界のリーダーであることが信任された」と歓迎の意を表した。