欧州委が伊の累積債務を問題視、4月末までの是正策提示を指示

欧州委員会は22日、イタリアの債務に関する報告書で、同国は累積債務が増大しており、構造的な赤字の削減が必要との見解を示した。伊政府は4月末までに是正策を提示することを求められる。

EUの財政規律を定めた安定成長協定では、各国は累積債務を国内総生産(GDP)比60%以内に抑えることを義務付けられている。イタリアの2016年の債務は上限を大きく超える同132.8%。今年は同133.3%まで膨らむと予想されている。

欧州委は同国の財政が震災、難民対応などで圧迫されているが、その影響を差し引いても問題があるとして、構造的な赤字の是正を要求。GDPの少なくとも0.2%に相当する債務の削減を指示し、具体策を4月末までに提示するよう求めた。一方、過剰赤字是正手続きを発動するかどうかの判断は、5月にまとめる経済予測など最新のデータを見極める必要があるとして、見送ることを決めた。

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