中国製厚板鋼材に正式な反ダンピング措置、欧州委が決定

欧州委員会は2月28日、中国製の厚板鋼材に正式な反ダンピング(不当廉売)措置を発動すると発表した。すでに実施している暫定的な反ダンピング措置を本格的な措置に切り替え、65.1~73.7%の反ダンピング関税を課す。

欧州委は2016年2月、EU内の業界団体から中国の鉄鋼メーカーが厚板鋼材、熱間圧延鋼材、シームレス管を不当な廉価で輸出し、域内メーカーを圧迫しているという苦情が寄せられたことを受けて、反ダンピング調査を開始。厚板鋼材と熱間圧延鋼材は10月、シームレス管に関しては11月に暫定的な反ダンピング措置を発動していた。

その後の調査の結果、厚板鋼材が国内価格を120~127%も下回る価格でEUにダンピング輸出されていることが確認されたとして、最長5年の正式な反ダンピング措置に切り替えた。関税率は暫定措置と同水準。

欧州委によると、EUに流入する鉄鋼製品をめぐる反ダンピング、反補助金関税の適用対象は現在41件。うち18件が中国製品となっている。今年は1月に中国の鋼管用継手に反ダンピング措置を発動した。

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