欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/6/16

西欧

コメルツ銀、日・スペインなどの不動産融資債権を売却

この記事の要約

独2位銀行のコメルツバンクは11日、日本、スペイン、ポルトガルの業務用不動産(CRE)融資債権を総額51億ユーロで売却すると発表した。財務の健全化に向けた取り組みの一環で、日本のCRE融資債権は香港に拠点を置く投資会社パ […]

独2位銀行のコメルツバンクは11日、日本、スペイン、ポルトガルの業務用不動産(CRE)融資債権を総額51億ユーロで売却すると発表した。財務の健全化に向けた取り組みの一環で、日本のCRE融資債権は香港に拠点を置く投資会社パシフィック・アライアンス・グループ(PAG)に7億ユーロで譲渡。スペインとポルトガルのCRE融資債権はJPモルガンとローンスターのコンソーシアムに44億ユーロで譲り渡す。

PAGには日本子会社コメルツ・ジャパン・リアルエステート・ファイナンスを売却。これに伴い同子会社で管理するCRE融資債権を譲り渡す。これによりコメルツバンクは欧州域外の不動産融資事業からの撤退を完了する。

JPモルガンとローンスターには、スペインで保有するすべてのCRE融資債権と、ポルトガルの不良化したCRE融資債権を売却する。不良債権の規模はスペインが11億ユーロ、ポルトガルが3億ユーロ。今回の取引により、スペインのCRE融資事業から完全撤退する。ポルトガルについては優良なCRE融資債権を手元に残した。

コメルツバンクは今回の取引により約1億ユーロの売却損を計上するものの、リスク加重資産(RWA)を32億ユーロ圧縮。自己資本を2億ユーロ増強する。同行は不動産・船舶向け融資事業からの撤退方針を2012年に打ち出し、財務強化に取り組んでいる。