三菱商事は7日、オランダの公営総合エネルギー事業者エネコと折半出資する合弁会社エンスパイア・ミーを通じて、ドイツで大規模蓄電システムを利用したサービスを開始すると発表した。欧州では発電量が自然条件に大きく左右される太陽光、風力などの再生可能エネルギー電力が大量に送電系統へと流れ込み送電網の不安定化を引き起こしていることから、蓄電システムを利用した電力需給の調整サービスを提供していく。
ドイツ北部のヤルデルントに蓄電システムを据え付ける。今年末に完工する予定。蓄電可能な容量は約5万キロワットで、ひとつの場所に設置される蓄電システムとしては欧州で最大規模となる。
同システムを用いて予備電力市場向けサービスや再生エネ発電事業者向けの出力調整サービスを、ドイツを中心とした周辺諸国に提供していく。三菱商事とエネコが共同で運営する洋上風力発電所にも活用し、事業価値を向上させる考えだ。