欧州委員会は10日、コンテナ海運世界最大手のマースク・ライン(デンマーク)が独同業ハンブルク・スードを買収する計画を条件付で承認したと発表した。マースクは2016年12月、ハンブルク・スードを買収することで合意していた。買収額は非公表。
ハンブルク・スードは世界9位のコンテナ海運会社。130隻のコンテナ船を保有している。同611隻を保有するマースクは、買収によって輸送能力を約380万TEU(20フィートコンテナ換算)に拡大し、最大手の地位を強固にすることから、欧州委は競争上の懸念を指摘していた。
マースクは買収認可を取り付けるため、ハンブルク・スードが◇北欧~中米・カリブ海諸国◇北欧~南アフリカ西海岸◇北欧~中東◇地中海~南アフリカ西海岸◇地中海~南アフリカ東海岸――の5航路で、加盟しているコンテナ船連合から脱退することを提案。欧州委はこれによって競争上の問題が解消されるとして、その実施を条件に買収を承認した。