米先物取引所大手CMEグループは12日、英ロンドンに拠点を置く金融・商品の先物取引所「CMEヨーロッパ」と、清算機関「CMEクリアリング・ヨーロッパ」を年内に閉鎖すると発表した。欧州先物市場で取引シェアの拡大を目指していたが、顧客ニーズを掘り起こすことができず赤字が膨らんでいた。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)やシカゴ商品取引所(CBOT)などを運営するCMEグループは、2011年にCMEクリアリング・ヨーロッパを設立。続いて14年にCMEヨーロッパを開設した。CMEヨーロッパでは30種の通貨先物のほか、天然ガスなどのエネルギー関連とカカオなど農産物の先物を上場している。
CME国際事業部によると、欧州の顧客はより幅広い商品を上場している米国の取引市場を利用する傾向にあり、欧州取引所と清算機関は16年に計1億1,000万ドル超の損失を計上していた。ただ、グループ全体としてみると、欧州の顧客による取引件数は1日平均260万件に上る。このため、取引所と清算機関の閉鎖後も、ロンドンを拠点とする顧客サービスや商品開発などの業務は継続する。