欧州委員会は1日、イタリア3位銀行バンカ・モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ(BMPS)の救済について、伊政府と基本合意したと発表した。伊政府はBMPSへの公的資金注入が大筋で承認された格好で、公的支援実施に向けて大きく前進した。
巨額の不良債権を抱えて資本不足に陥っているBMPSは、計画した大型増資が昨年12月に失敗に終わり、自力再建を断念。政府が公的資金の注入を柱とする救済を決め、欧州委に承認を求めたが、協議が難航し、実施がずれ込んでいる。
合意したのは、公的支援実施の前提となるBMPSの再建策。幹部の報酬、人員、支店の削減、不良債権の民間投資家への売却などを進める。
欧州中央銀行(ECB)によると、同行の資本は12月時点で88億ユーロ不足している。政府の救済計画では、66億ユーロの公的資金を注入し、残る22億ユーロは保護対象とならない劣後債を持つ機関投資家が損失を負担する形でカバーすることになっている。
公的支援の正式承認には、再建策の詳細策定、不良債権の売却先の決定や、同行が支援によって長期期に存続可能となり、資本要件を満たすことができるとECBから認定される必要がある。