英中銀、銀行に114億ポンドの自己資本積み増し要求

英中央銀行のイングランド銀行は6月27日、国内銀行に対して、総額114億ポンド(約1兆6,900億円)の自己資本積み増しを求めると発表した。家計債務が膨らみ、貸し倒れリスクが高まっているためで、「カウンター・シクリカル・バッファー」と呼ばれる自己資本上積み比率をゼロ%から1%に引き上げる。

カウンター・シクリカル・バッファーは、将来の危機に備えて、好況時に銀行の自己資本を高めておくもの。英中銀は同国のEU離脱が決まった直後の昨年7月、景気悪化に備えて上積み比率を総与信の0.5%からゼロ%に引き下げた。

しかし、景気が好調を維持すると同時に、低金利を背景に自動車ローンなど消費者の借り入れが4月までの1年間で10.3%増加し、家計債務が所得増加を上回るペースで膨らんでいることから、同比率を27日付で0.5%に引き上げることを決めた。11月には1%まで引き上げる。銀行はそれぞれ1年以内の積み増しを求められる。上積み額は0.5%の引き上げで57億ポンドとなるため、計2回で総額114億ポンドに上る。

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