欧州最大の格安航空会社(LCC)であるライアンエアー(アイルランド)のマイケル・オライリー最高経営責任者(CEO)は6月27日、経営破綻した伊アリタリア航空を買収する用意があることを明らかにした。アリタリアが大規模な改革を実施することを条件に、過半数株式を取得するとしている。
アリタリアは格安航空会社との競争激化などで業績が悪化。資金繰りに行き詰まって自主再建を断念し、5月に政府の管理下に置かれた。政府は6億ユーロのつなぎ融資を提供して同社の営業を継続させながら、他社への売却を模索している。これが実現しない場合は、清算に追い込まれることになる。
イタリアでの報道によると、これまでに米デルタ、独ルフトハンザなど多くの企業がアリタリアに関心を示しているが、提携や航空機、離発着枠など資産の取得に限られ、買収に踏み込んだのはライアンエアーが初めて。
ただ、オライリーCEOは買収の条件として、アリタリアが北米など主要長距離路線でのエールフランスとの提携を解消し、独自に運航できるようにすることや、航空機リース費用などコストの削減、人員削減などの改革を実施することを要求している。