欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/6/23

EUその他

携帯ターミネーション・チャージ、欧州委が独当局に値上げ撤回を要求

この記事の要約

欧州委員会は20日、ドイツの連邦ネットワーク庁(BNetzA)に対し、携帯電話事業者が他社のネットワークに回線を接続する際に支払うターミネーション・チャージを引き上げる計画の撤回を求める警告書を送付した。BNetzAはE […]

欧州委員会は20日、ドイツの連邦ネットワーク庁(BNetzA)に対し、携帯電話事業者が他社のネットワークに回線を接続する際に支払うターミネーション・チャージを引き上げる計画の撤回を求める警告書を送付した。BNetzAはEUの指針に沿って料金体系の見直しを行い、3カ月以内に改善策を提示しなければならない。

事業者間で決済される携帯電話のターミネーション・チャージは国によって料金水準にばらつきがある。欧州委はこれが全体として携帯電話の通話料金をつり上げ、公正な競争と単一市場の実現を阻害しているとして、加盟国の通信当局に対し、実際のコストを基に料金体系を決定するよう求めている。

欧州委によると、BNetzAはターミネーション・チャージをEU平均より80%以上高い水準に引き上げる計画を打ち出している。同委は4月に計画の見直しを求めたが、BNetzAから回答が得られなかったため、正式な警告に踏み切った。欧州委は「独当局は欧州委が推奨するアプローチとは異なる方法でターミネーション・チャージを算出している」と指摘。3カ月以内に是正措置を講じるよう求めている。

携帯電話の料金規制をめぐっては、EU域内の他の国で携帯電話を使用する際のローミング(相互接続)にかかる上乗せ料金を廃止する案が議論されている。欧州議会が4月に可決した法案によると、携帯電話事業者は2015年12月15日までに、国際ローミングにかかる料金を国内と同じ水準にすることが義務付けられる。しかし、業界側は重要な収益源を失えば高速インターネット網への投資もできなくなるなどと反論しており、加盟国による協議は難航も予想される。