英イージージェットが墺に子会社設立、EU離脱に備え

英格安航空大手イージージェットは14日、英国のEU離脱に備え、オーストリアの首都ウィーンにEU事業を統括する「イージージェット・ヨーロッパ」を設立すると発表した。離脱によって域内の単一市場にアクセスできなくなった場合でも、EU内で運航を継続できるようにするための措置。既にオーストリアの航空当局に事業許可証(AOC)の交付申請を行っており、離脱交渉の期限である2019年3月までにすべての手続きが完了する見込みという。

イージージェットは現在、英国とスイスで事業認可を取得している。EU離脱により英国の航空会社はEU域内での路線運航が認められなくなる可能性があるため、イージージェットは英国が昨年6月の国民投票で離脱を決めた直後から、EU加盟国の航空当局と事業継続に向けた話し合いを進めていた。オーストリアでAOCを取得できれば、仮に離脱交渉の期限までに航空分野の協議がまとまらなかった場合でも、従来通りに域内での自由な運航環境を確保することができる。

イージージェットは大陸欧州の拠点としてオーストリアを選んだ理由について、EUの安全規則が厳格に履行されている点や、大量の航空機を適切に扱うことができる高い運航管理能力などを挙げている。英国のEU離脱までに所有する機体のうち110機を「オーストリア籍」として再登録する計画で、一連の手続きにかかる費用は約1,000万ポンド(約14億7,500万円)に上るとみている。

同社は声明で「オーストリアでの認可プロセスは順調に進展しており、近く事業免許を取得できる見通しだ。これにより、英国のEU離脱後も欧州内で国際線および国内線の運航を継続できる」と表明。そのうえで、離脱交渉で航空分野を優先するよう、引き続きEUと英政府への働きかけを強めていく方針を示した。

上部へスクロール