独エネルギー大手エーオンとハンガリーの石油ガス最大手MOLはこのほど、ルーマニアで電気自動車(EV)向けの重電施設を40カ所に設置する計画を明らかにした。2020年までにエーオンが19カ所、残りをMOLが設置する。資金については、EUが域内のエネルギー・交通・通信インフラの投資を促進するためのプログラム「コネクティング・ヨーロッパ・ファシリティ」(CEF)から1,884万ユーロを助成する予定だ。両社は中東欧地域にあるグループ企業等が参加する「NEXT-Eプロジェクト」を立ち上げ、欧州委員会に対しCEFの申請を行っていた。
充電施設は汎欧州輸送回廊の幹線道路沿いのMOLの給油所に設置する。ルーマニア西部のアラドからブカレストを通り黒海に面するコンスタンツァに至る回廊4号線のほか、9号線で中部のセベシュからトゥルグ・ムレシュを経由し、北東部ヤシに至る区間と、北部のスチャヴァからブカレストを経由して南部のジュルジュに至る区間が想定されている。
NEXT-Eプロジェクトにはエネルギー関連企業のほか自動車メーカーも参加している。参加企業には、エーオンのスロバキア、チェコ、ハンガリー、ルーマニアの関連会社や子会社と、MOLの同地域の6子会社、日産、BMWなどが含まれる。
エーオンは2005年にルーマニアに進出し、顧客数は310万に上る。総延長2万キロメートルを超える天然ガスの導管ネットワークと8万キロメートルの配電網を持つ。
MOLは1996年に同国市場に進出した。昨年末時点で国内に206カ所の天然ガス充填施設を持つ。