SGLカーボン、陰極事業などを投資会社に売却

炭素製品大手の独SGLは8日、陰極、溶解炉ライニング、炭素電極事業(CFL/CE事業)を投資会社トリトンに売却することで合意した。事業整理の一環で、売却益は債務の圧縮に充てる。

SGLは2015年7月に組織再編計画を発表し、経営資源を「黒鉛材料&システムズ(GMS)」と「炭素繊維・複合材料(CFM)」の2部門に絞り込む方針を発表。16年6月には黒鉛電極などを手がける「パフォーマンス製品(PP)」部門を分社化し、放出の準備を完了した。PP部門に属する黒鉛電極事業については昨年10月、昭和電工に完全売却することを取り決めた。

新たに売却するのはPP部門の残りの事業で、売却額は同部門の評価額2億5,000万ユーロに基づいて算定した。年金負担の引当金などを除いたベースで譲渡するため、売却益は2億3,000万ユーロ強となる見通し。ポーランドのノヴィ・ソンチ、ラチブシュ2工場は譲渡資産に含まれる。第4四半期(10~12月)の売却手続き完了を見込む。

SGLは今回、昭和電工に黒鉛電極事業を売却する手続きの完了時期が当初予定の今年半ばから今年第4四半期初頭にずれ込む見通しも明らかにした。

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