21年以降の自動車排ガス規制、ACEAが20%削減目標に

欧州自動車工業会(ACEA)は13日、EU域内で販売される乗用車(新車)の二酸化炭素(CO2)排出量の規制値を2030年までに現在の水準から20%削減する目標を打ち出した。欧州委員会は現在、21年以降に販売される新車の排出基準について検討を進めており、年内に新たな削減目標が提示される見通し。ACEAは走行時のCO2排出量がゼロの電気自動車の普及が目標達成の条件になると強調し、欧州委に対して現実に即した排出基準を策定するよう求めている。

EUは温暖化対策の一環として、走行1キロメートル当たりの新車のCO2排出量を21年までに平均95グラム以下に抑えることを各メーカーに義務づけている。ACEAが打ち出した新目標は、これを30年までに76グラムに削減するという内容。ただし、電気自動車の普及や充電設備の整備が進まなければ目標の達成は不可能であることから、25年に中間見直しを行う必要があると説明している。

ACEAによると、欧州市場で2017年上半期に販売された新車のうち、電気自動車が占める割合は1.2%にとどまっている。ツェッチェ会長は独フランクフルトで開催中の国際自動車ショーで報道陣に対し、21年以降の目標設定にあたり、業界は「明確かつ予測可能な時間枠」を必要としていると強調。「市場の条件に応じて長期的な目標を策定する必要がある。現在のところ電気自動車の普及は低いレベルにとどまっている」と指摘し、電気自動車が主流になるまでの移行期間は、ガソリン車に比べてCO2排出量が15-20%少ない最先端のディーゼル車が重要な役割を担うとの考えを示した。