仏最大手銀行のBNPパリバは11日、シェールオイルやシェールガス、オイルサンドの探鉱、生産、流通、販売などを中核事業とする企業への融資を停止すると発表した。採掘や生産過程で大量の温室効果ガスを排出する化石燃料への依存度を減らし、再生可能エネルギーへの転換を促すのが狙い。低炭素経済への移行に積極的な役割を果たさない企業への融資を段階的に停止することで、金融機関として地球温暖化防止に向けた国際的な取り組みを後押しする。
BNPパリバは今回、北極圏における石油や天然ガスの探鉱や生産に関わるプロジェクトへの融資も停止する方針を明らかにした。同行は以前から、化石燃料関連事業への投融資を縮小する一方、エネルギー転換に向けた取り組みを積極的に支援する方針を掲げ、2020年までに再生可能エネルギー事業に150億ユーロを融資するほか、エネルギー貯蔵やエネルギー効率化などに特化したスタートアップ企業に1億ユーロを投資するなどの目標を打ち出していた。また、石炭生産および石炭火力発電事業への融資業務からはすでに撤退している。
ジャン・ローラン・ボナフェ最高経営責任者は声明で「BNPパリバは国際的に活動する銀行として、今後も持続可能な社会への移行を支援し、エネルギー転換を加速させて経済の脱炭素化に貢献していく」とコメントした。
欧州ではフランスや英国が2040年以降、ガソリン車とディーゼル車の販売を禁止する方針を打ち出すなど、温室効果ガス削減に向けた取り組みが進められている。これに伴い有力銀行の間でも化石燃料に関連したプロジェクトへの融資を縮小する動きが徐々に広がっており、これまでに仏ソシエテ・ジェネラル、クレディ・アグリコル、英HSBCなどが炭鉱や石炭火力発電所への融資を停止している。