ノバルティス、眼科部門の分離を先送り

スイス製薬大手のノバルティスは24日、業績不振の眼科部門アルコンの分離を延期すると発表した。同社は売却、上場などによってアルコンを分離する意向を1月に表明。年内に結論を出す予定だった。しかし、アルコンの業績が回復しつつあることから、有利な条件で分離するため、判断を先送りする。

ノバルティスは2010年、食品大手ネスレからアルコンを510億ドルで買収した。しかし、アルコンの業績が悪化したため、眼科薬事業を本体の後発医薬品、特許薬部門に移管し、アルコンを眼内レンズとコンタクトレンズ事業に集約した上で、分離することを決めていた。

ノバルティスが同日発表した17年7~9月期(第3四半期)の純利益は前年同期比7%増の20億8,000万ドル、売上高は2%増の124億ドル。アルコンは営業損益が5,000万ドルの赤字だったが、売上高は7%増の15億ドルに伸びた。このため、さらなる業績改善を見込み、分離の決定を19年下期以降に先送りすることを決めた。

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