EU銀行の英支店、現状のまま営業可能に=英中銀

英中央銀行のイングランド銀行は12月20日、英国内に支店を置くEUの大手銀行が英のEU離脱後も現在と同じ形態で事業を継続することを認める方針を打ち出した。金融街シティーが英のEU離脱後も国際金融拠点としての地位を維持できるようにするのが狙いで、各方面から意見を聞いた上で最終決定する。

イングランド銀の提案は、英国で法人向け銀行業務を展開しているEUの銀行の支店が対象。支店を英子会社に転換することなく、営業を続けることを認める。ただし、英国とEUの金融監督での「高度な協力」が英の離脱後も維持されることが前提としている。

EUでは金融・証券会社などが加盟国のうち1カ国で認可を取得すれば、域内全域で活動することができる「パスポート制度」が導入されている。域内の金融業界では、英国の離脱によって同国に同制度が適用されなくなるため、英国内の支店を子会社に転換することを迫られる懸念が浮上していた。子会社化にはコストがかかり、しかも法人形態が変わることで、英国の金融ルールに沿って資本の積み増しなどを求められる可能性があるためだ。

イングランド銀はEUの銀行の流出が加速し、シティーの地位が低下するのを避けるため、これらの支店が子会社化することなく、英のEU離脱後も現行ルールに沿って、法人向け銀行業務を継続できるようにすることを提案した。

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