英建設大手カリリオンは15日、資金繰りに行き詰まり、裁判所に清算を申請したと発表した。同社は200年の歴史を持ち、大型公共事業を請け負ってきた老舗建設会社。業績悪化を受けて銀行や政府に支援を要請したが拒否され、破綻に追い込まれた。英国では過去10年で最大規模の経営破綻となる。
カリリオンはロンドンのロイヤル・オペラ・ハウス、英仏海峡トンネル、コペンハーゲン地下鉄など大型公共事業を手がけたことで知られる企業。英国のほかアイルランド、カナダ、中東、北アフリカで事業を展開している。昨年から業績不振が深刻化し、巨額の債務を抱えていた。
同社は存続に向けて銀行、政府につなぎ融資を要請したが断られ、資金繰りに行き詰まって破綻に至った。
カリリオンは英国で約2万人を雇用しており、同社の破綻は国内の雇用に悪影響を及ぼす恐れがある。また、政府がカリリオンの経営危機が明るみに出てからも13億ポンドの公共事業を発注していたことから、野党は政府の責任を追及する構えだ。