ネスレ、米菓子事業を伊フェレロに売却

欧州食品・飲料大手のネスレ(スイス)は16日、米国の菓子事業を伊同業フェレロに売却することで合意したと発表した。有望事業に経営資源を集中する戦略に沿ったもので、売却額は28億ドルに上る。

フェレロはミント菓子「チックタック」やチョコレート「ロシェ」、スプレッド(パンやクラッカーに塗るペースト状食品)の「ヌテッラ」などのブランドで知られる企業。ネスレの米事業買収によって、「バターフィンガー」「ベビールース」などのブランドやネスレが米国で展開する菓子工場を取得し、米国3位の菓子メーカーとなる。3月末までの買収手続き完了を見込む。

ネスレは消費者の嗜好や食習慣の変化に対応するため、高い成長が見込める幼児用栄養食品やコーヒー、ミネラルウォーター、ペットフード事業を強化する一方で、需要が伸び悩んでいる菓子事業などで事業売却やブランドの統廃合を進めている。昨年6月には、マース、ハーシーなど有力企業との競争で厳しい状況にある米菓子事業からの撤退を検討していることを明らかにしていた。

上部へスクロール