欧州議会は7日の本会議で、英国のEU離脱に伴う欧州議会の議席配分案を賛成多数で可決した。73議席を割り当てられている英国の離脱後は、現在751の定数を46減らして705議席とし、残り27議席を人口に比べて議席数の少ないフランス、スペイン、イタリアなど14カ国に再配分する。今月下旬に開く非公式EU首脳会議で議席配分案について協議する。
欧州議会では現在、1議席あたりの人口が最多のフランス(約90万人)と最小のマルタ(約7万人)で12倍以上の開きがある。以前から1票の格差是正を求める声はあったが、議席配分の見直しは一部加盟国の議席減につながるため、これまで議論が進まなかった。しかし、英離脱で同国の議席が宙に浮くため、一気に改革の機運が高まり、欧州議会内で具体案の検討が進められていた。
一方、本会議では加盟国ごとに欧州議員を選出する現行制度に代わり、EU全体をひとつの選挙区とする案についても採決が行われ、「単一EU選挙区」の創設を見送る案が賛成多数で可決された。単一選挙区の構想は、マクロン仏大統領がEU改革案の一環として提唱したもので、イタリアやスペインなどが支持する一方、ポーランドやハンガリーなど中東欧諸国は反対を表明していた。
次回の欧州議会選挙は2019年5月に実施される。各国での選挙法改正などの手続きを考えると、選挙の1年前までに改革案を承認する必要があり、短期間に加盟国の間で合意形成できるかが今後の焦点となる。