EUは23日、英国を除く27カ国による非公式の首脳会議を開き、英離脱後の欧州議会の改革案などについて協議した。73議席を割り当てられている英国の離脱後は、現在751の定数を46減らして705議席とし、残り27議席を人口に比べて議席数の少ないフランス、スペイン、イタリアなどに再配分して「1票の格差」を是正することで基本合意した。欧州議会はすでに同案を賛成多数で可決しているため、6月のEU首脳会議で正式に承認し、2019年5月に実施される次回の欧州議会選挙から適用する。
加盟国ごとに欧州議員を選出する現行制度に代わり、EU全体をひとつの選挙区とする「単一EU選挙区」の創設についても協議したが、次回選挙では適用せず、24年の選挙に向けて検討を先送りする方針で一致した。同構想はマクロン仏大統領がEU改革案の一環として提唱していた。
一方、欧州委員長の選出方法をめぐっては、欧州議会の最大会派が推す候補者が委員長に就任する「Spitzenkandidat(ドイツ語で首位の候補者)」と呼ばれる現行方式を支持する国はごく一部にとどまり、選挙結果を考慮したうえで、加盟国による話し合いで決定する方針で一致した。19年10月末の任期満了を以て退任する意向を表明しているユンケル欧州委員長は、欧州議会選挙の結果を反映させる選出方法が最も民主的だと主張し、14年の前回選挙で導入された現行方式の維持を訴えていたが、マクロン氏などがこれに強く反発していた。
さらに会議では、ユンケル氏が提案するEU大統領と欧州委員長のポストを一本化する案についても協議したが、支持を表明する国はなく、今後も両ポストを維持することで合意した。