欧州委員会は21日、独製薬・化学大手のバイエルが米農業化学大手モンサントを買収する計画を承認したと発表した。バイエルが提案した競争上の是正策を実施することが条件となる。
バイエルは2016年9月、モンサントを最大660億ドルで買収することで合意した。これによって同社の農業化学部門クロップサイエンスの売上高は2倍に拡大し、同分野で圧倒的な首位となる。
これに関して欧州委は昨年8月、農薬、野菜の種子などの分野で両社が大きなシェアを持ち、とくに雑草に効力があるが作物には影響を及ぼさない選択性除草剤で競争が阻害される恐れがあるとして承認を見送り、本格的な調査を開始した。
バイエルは欧州委が指摘する競争上の問題に対応するため、10月に農薬・種子事業の一部を独BASFに59億ユーロで売却すると発表。それでも欧州委が認可に難色を示したことから、野菜種子事業もBASFに売却することを先ごろ提案した。欧州委は同措置によって競争上の懸念が払しょくされるとして、その実行を条件に買収計画を承認した。