英GKN、メルローズが買収へ

英エンジニアリング大手GKNに買収を提案している同国の投資会社メルローズ・インダストリーズは3月29日、GKNの過半数の株主が買収に賛同したことを明らかにした。これを受けてGKNは買収拒否から転じる意向を表明。メルローズによる買収が確実となった。

GKNは自動車、航空機用の部品製造を主力とする企業。メルローズは1月、同社に約70億ポンドでの買収を提案したが、GKNは価値を過小評価しているとして拒否した。さらにGKNは株主の支持を取り付けるため、収益改善策として自動車部品部門と航空宇宙事業を分離する意向も表明し、徹底抗戦の構えを示していた。

これに対してメルローズは3月12日、買収額を約81億ポンドに引き上げたが、GKNが応じなかったため、敵対的買収に乗り出すと発表。GKN株主に29日までに買収を支持するかどうか決めるよう求めていた。

メルローズによると、買収に賛同したのはGKNの株主の52.4%。敵対的買収成立の条件としていた50%プラス1株を上回った。GKN取締役会は同日、買収条件をなお不満としながらも、全株主に買収提案に応じるよう勧告する意向を表明した。

メルローズによるGKN買収は、英国企業をめぐる敵対的買収としては2009年の米食品大手クラフト・フーズによる製菓大手キャドバリ買収以来の大型案件となる。

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