英航空大手ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)などを傘下に持つ英インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)は12日、ノルウェーの格安航空会社(LCC)ノルウェー・エアシャトルの株式4.61%を取得したと発表した。IAGは買収も視野に検討を進めていると説明しており、競争が激しさを増すLCC分野で再編の動きが加速する可能性がある。
ノルウェー・エアシャトルは1993年に地域航空会社として設立され、2002年にLCCに転換した。オスロやストックホルムを拠点に、欧州内の主要都市を結ぶ短距離路線のほか、北アフリカ、中東、米国、アジアへの中・長距離路線も展開している。
IAGは声明で「買収提案を含めた協議に入るための足場」としてノルウェー・エアシャトルに出資したと説明。現時点で協議は開始しておらず、今後の方針も決定していないとつけ加えた。一方、ノルウェー・エアシャトルは「世界有数の航空会社からのアプローチは、当社のビジネスモデルの持続可能性や高い成長性を示すものだ」とコメントした。
IAGは2015年にスペインのブエリング航空を買収し、昨年には長距離路線を運航する「レベル」を立ち上げるなどLCC事業を強化している。ノルウェー・エアシャトルの買収額は負債を含めて30億ドルに上るとされるが、実現するとIAGは欧州市場でアイルランドのライアンエアーと英イージージェットに次ぐLCCとなる。