欧州委員会は17日発表したEU拡大に関する報告書で、加盟候補国となっているマケドニア、アルバニアについて、加盟交渉開始を現加盟国に勧告したことを明らかにした。加盟国は6月の首脳会議で交渉開始の可否を決める。
バルカン諸国ではスロベニア、クロアチアがEUに加盟。モンテネグロとセルビアが加盟交渉を行っている。マケドニアは2005年、アルバニアは14年に加盟候補国として認定されたが、EU入りに向けた次のステップとなる加盟交渉開始は見送られてきた。両国の政治・経済改革や汚職、組織犯罪対策の遅れが表向きの理由だが、EUが多くの旧共産圏諸国を短期間に受け入れたことで補助金支給の対象国が膨れ上がり、予算運営が厳しくなるといった“拡大疲労”に直面していることが背景にある。マケドニアに関しては、国名をめぐってギリシャと対立していることも障害となっている。
しかし、バルカン半島でロシア、中国の存在感が強まる中、欧州委は2月に発表したバルカン諸国のEU加盟に向けた新戦略で、これらの国の早期加盟を後押ししていく意向を表明。同戦略に沿って、両国との加盟交渉開始を勧告した。