欧州委員会は23日、フランスに発動してきた過剰赤字是正手続きの解除を勧告した。財政改善が進み、17年の赤字がEUの財政規律で上限となっている国内総生産(GDP)比3%を下回ったためで、EU加盟国は7月に開く財務相理事会で、勧告に応じて同手続きの解除を正式決定する見込みだ。
EUの財政規律では、各国に単年の財政赤字をGDP比3%以内に抑えることを義務付けている。フランスは世界的な金融危機で財政が悪化した2009年に赤字が膨らみ、過剰赤字是正手続きを発動された。
同国では昨年5月に発足したマクロン政権が財政健全化を重視し、住宅手当の削減など緊縮策を推進。17年は景気の復調で税収が増えたこともあって、赤字が許容範囲内のGDP比2.6%に縮小した。欧州委は18年がGDP比3%、19年が同2.8%と規律を順守できる見通しであることから、同手続きの解除を勧告した。
ユーロ圏ではギリシャが昨年、過剰赤字是正手続きを解除された。フランスの解除によって、適用対象国はスペインだけとなる。