デンマークの決済サービス大手ネッツと独同業コンカルディスは4日、合併で合意したと発表した。欧州の決済業界では、スマホ決済などデジタル化の進展を背景に再編が活発化していることから、その流れに沿って経営統合し、競争力を強化する。
合併は株式交換方式で行う。ネッツを存続会社とする計画で、コンカルディスの株主はネッツ株を取得することになる。独禁当局の審査を経て合併手続きが今年10~12月期に完了すると見込んでいる。
両社とも投資会社の傘下企業で、ネッツには米ヘルマン・アンド・フリードマン、アドベント、ベイン・キャピタル、コンカルディスにはアドベントとベインがそれぞれ出資している。これらの投資会社の協議を経て、今回の合併がまとまったとみられる。
ネッツは非現金決済の先進地域である北欧の最大手企業。コンカルディスは現金決済が主流のドイツ市場を中心とする企業であることから、ネッツは合併後に独市場の掘り起こしに注力する考えだ。
欧州の決済業界は再編期を迎えており、この20日以内に合併、買収、新規株式公開(IPO)の計画が計4件も発表された。仏インジェニコは独貯蓄銀行系のペイワン、米ペイパルはスウェーデンのモバイル決済サービス会社アイゼトル、仏ワールドラインはスイス証券取引所(SIX)のカード事業をそれぞれ買収する。蘭アディアンはIPOで事業資金を調達する計画だ。