フォータムのウニパー買収、欧州委が認可

欧州委員会は15日、フィンランドの電力会社フォータムが独エネルギー大手エーオンから分離独立した火力発電会社ウニパーを買収する計画を認可したと発表した。両社の事業が重複する北欧市場では多数のライバル企業がシェア争いを展開しており、買収を認めても競争が阻害される可能性は極めて低いと判断した。

エーオンは経営資源を将来性の高い再生可能エネルギー事業などに絞り込むため、火力発電や国際エネルギー取引、石油・ガス採掘事業を分離し、これら事業の受け皿として2016年1月にウニパーを設立した。同年9月には新規株式公開(IPO)でウニパー株53.35%を放出し、出資比率は46.65%となった。フォータムは昨年9月、ウニパーの買収に向け、エーオンが保有する全株式を取得すると表明。ウニパーは取引に反対していたが、エーオンが株式売却に合意したため、フォータムは株式公開買い付け(TOB)を実施してウニパーの経営権を取得した。

欧州委の調査では、フォータムとウニパーが共に発電設備を持つスウェーデン市場への影響が最大の焦点となった。同国の発電および送配電事業で両社を合わせたシェアは約30%にとどまり、多様な選択肢が確保されているため、買収を認めても公正な競争が阻害され、価格上昇などの弊害が生じる怖れはないと結論づけた。

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