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英メイ内閣がEU離脱交渉方針で合意、穏健路線へ軌道修正

メイ英首相は6日、臨時の閣議を開き、EU離脱後の通商関係を巡る交渉方針で合意した。工業製品や農産品の規格や基準については離脱後もEUのルールに従うことや、モノに限定した自由貿易圏を創出することなどをEU側に提案する。単一市場や関税同盟から完全に撤退するとしていた従来の「ハード・ブレグジット(強硬離脱)」路線から軌道修正し、EUとの協調を優先する「ソフト・ブレグジット(穏健離脱)」路線で交渉を進展させる狙いがある。しかし、こうした中で離脱交渉の責任者であるデービスEU離脱担当相が8日、辞任した。同氏は政権内で強硬派として知られ、メイ首相が掲げる穏健離脱の方針に反発した。政権発足時からEUとの交渉を担ってきたデービス氏の辞任は、2019年3月の離脱に向けた交渉の行方を左右する可能性がある。

離脱条件をめぐるEUとの実質的な合意期限が10月に迫る中、将来に向けたEUとの関係を巡ってメイ政権内で強硬派と穏健派の溝が埋まらず、交渉は膠着状態が続いていた。メイ首相は事態を打開するため、ロンドン郊外の別荘で交渉方針について討議。10時間以上にわたる議論の末、メイ氏の提案を全閣僚が支持した。

発表によると、工業製品などの規格・基準やモノの自由貿易圏の創設のほか、関税面でもEUと連携し、現状並みの貿易を確保して英国と大陸欧州をまたいだサプライチェーンを維持すると共に、英領北アイルランドとEU加盟国のアイルランドの国境で税関などが復活しないようにすることなどを交渉方針に盛り込んだ。さらに、離脱後に米国などとの自由貿易協定(FTA)締結を目指すことや、米国を除いた日本など11カ国による環太平洋戦略的経済連携協定(TPP11)への参加を検討することでも一致した。

一方、英メディアによると、デービスEU離脱担当相の辞任に伴い、ベーカー離脱担当副大臣や複数の離脱省政務官も辞任した。デービス氏は辞任文書で「政府が示した方向性は交渉における英国の立場を弱めるもので、窮地に陥る可能性がある」と指摘。そのうえで「国益のためには首相の方針を全面的に支持する人物が交渉責任者につくべきだ」と辞任の理由を説明した。

今後はデービス氏の辞任を受け、他の強硬派の閣僚に追随の動きが広がるかが焦点となる。メイ首相は週内にも交渉方針をまとめた白書を公表する予定だが、強硬派のジョンソン外相らが辞任した場合、メイ氏は急速に求心力を失い、政権維持が困難になる恐れもある。

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