ブルガリアのユーロ導入、銀行同盟参加が条件に

ユーロ圏は12日に開いた財務相会合で、欧州中央銀行(ECB)、欧州委員会とブルガリアのユーロ導入に向けた道筋について協議し、前段階となる欧州為替相場メカニズム(ERM2)と並んで銀行同盟への参加をユーロ導入の条件とすることで合意した。ブルガリアは2019年7月までにERM2と銀行同盟に参加する意思を表明しており、第1段階として近く、正式に銀行同盟への加盟を申請する見通しだ。

ブルガリアはユーロ導入に向け、ECBと緊密に連携して銀行部門を強化する旨を確約した書簡をユーロ圏財務相会合に送付しており、その中に銀行同盟への参加が盛り込まれていた。ユーロ導入には財政の健全化、消費者物価と長期金利の安定と共に、ERM2に少なくとも2年間参加し、自国通貨の変動幅をあらかじめ設定した対ユーロ中心交換レートの上下15%以内に抑えることが条件となっている。銀行同盟への参加は義務化されていないが、ECBや欧州委はユーロ導入に向けた審査プロセスのひな形として、ブルガリアに参加を確約するようを求めていた。

財務相会合が発表した声明によると、ブルガリアはECBによる審査を経て銀行同盟に加わり、その後、ERM2への加盟申請が可能になる。ブルガリア側は財務相会合に宛てた書簡で、来年7月までに銀行同盟とERM2に同時に加盟できるとの見通しを示しているが、ECBのクーレ専務理事は会合後の記者会見で「(銀行同盟への加盟審査は)必要があれば1年以上かかる場合もある」と発言。ユーロ導入に向けた手続きが円滑に進まない可能性もあるとくぎを刺した。

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