マケドニアの議会は7月30日、EUと北大西洋条約機構(NATO)への加盟に向けて国名を変更することの是非を問う国民投票を9月30日に実施することを決めた。国名をめぐって対立してきたギリシャと、「北マケドニア共和国」への改名で合意したのを受けたもの。議会(定数120)右派が棄権したものの、過半数を超える68人が賛成に回り、可決した。
マケドニアは1991年に旧ユーゴ連邦から独立した際、憲法で正式名称を「マケドニア共和国」とした。しかし、ギリシャが古代ギリシャの英雄アレキサンダー大王の出身地である同地の名前を全面に出した国名に反発。マケドニアのEU、NATO加盟にギリシャが拒否権を発動し続ける状態が続いていた。
両国政府は6月12日、マケドニアを「北マケドニア共和国」とすることで合意。両国議会の批准によって新国名が正式に採用される。マケドニアでは憲法改正が伴うため、国民投票も実施しなければならない。
国民投票は、国名変更そのものの是非ではなく、「ギリシャとの合意を受け入れることで、EUとNATOに加盟することを支持するか」を問う形で実施される。
新国名をめぐっては、マケドニアとギリシャの双方で不満とする声が少なくない。マケドニアの国民投票で承認されるかどうか不透明な情勢だが、首相は国民投票について諮問的性格を持つものだとして、仮に承認されなくても議会の決定で国名変更が可能としている。