ギリシャ、20日に金融支援から脱却

EUのギリシャに対する金融支援が20日に終了した。これによってギリシャは8年に及ぶ国際金融支援から脱却。今後は国債発行で資金を調達し、自力で財政再建を進めていくことになる。

ギリシャは2009年10月、前政権による赤字隠しが発覚したのをきっかけに信用不安が発生。政府は国債の利回りが急上昇し、自力で資金を調達できない状況に陥ったため、10年4月にEUと国際通貨基金(IMF)に金融支援を要請し、同年と12年に総額2,400億ユーロの支援を取り付けて財政健全化に取り組んだ。その結果、14年には国債発行で資金を調達できる状態まで回復したが、15年に反緊縮を掲げるチプラス政権が発足し、金融支援継続が不透明となったことで状況が悪化したことから、2015年にEUが総額860億ユーロに上る第3次支援の実施を決定。これでようやく危機が沈静化し、20日に金融支援から脱却した。今後は国債市場に復帰し、自力で財政運営に必要な資金を調達する必要がある。

ギリシャはプライマリー・バランス(基礎的財政収支)を22年まで国内総生産(GDP)比で少なくとも3.5%の黒字とし、60年までGDP比2.2%以上の黒字を維持することを約束している。これを順守し、持続的に財政再建を進めることができなければ、信用不安が再燃し、国債での資金調達が困難となりかねない。このため、EUは6月、ユーロ圏の財務相会合で支援脱却後の支援措置について合意。第2次支援の融資の償還期限を10年延長することなどを決めた。

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