欧州証券市場監督機構(ESMA)は24日、個人投資家に対するバイナリーオプションの販売およびマーケティングを禁止する措置を3カ月延長すると発表した。ESMAは投機性の高いバイナリーオプションを巡るトラブルから個人投資家を保護するため、7月2日から3カ月の期限付きでEU域内での取引を全面的に禁止しているが、依然としてマーケティングに関連した詐欺行為や不公正な取引のリスクは解消されていないと判断し、10月以降の延長を決めた。
バイナリーオプションは為替金融商品の一種で、為替相場が上がるか下がるかを予想し、その後の値動きに応じて損益金額が確定する仕組み。業者によっては5分単位で取引を設定するケースもあり、短期間に繰り返し取引した場合は損失額が大きくなる恐れがある。
バイナリーオプションは手軽な金融商品として運用ルールが整う前に世界中で流通が拡大し、そのため悪質な業者による詐欺などのトラブルが相次いだ。EUでは一部の加盟国が早い段階で規制に乗り出したが、ESMAは今年3月、域内におけるバイナリーオプションの販売およびマーケティングの全面禁止を決定。7月から同措置が適用されている。
一方、ESMAは8月からCFD(差金決済取引)についても個人投資家に対する販売およびマーケティングを厳しく制限している。CFDは現物の株式を売買する取引と異なり、証拠金を預けて銘柄を売買し、その差金のみを決済する仕組み。CFDに対する制限措置も3カ月の期限付きとなっており、ESMAは近く延長するかどうか判断する見通しだ。