独メルケル首相の盟友で、欧州議会の最大会派である中道右派の欧州人民党(EPP)を率いるマンフレート・ウェーバー氏は5日、次期欧州委員長の候補として名乗りを上げた。EPPの欧州委員長候補として選ばれるかどうかが最初の関門となる。
欧州委員会はEUの内閣に相当する行政執行機関。委員長以下、加盟国が1人ずつ指名する欧州委員で構成される。委員長は欧州理事会(EU首脳会議)が決定し、欧州議会が承認する方式で選ばれてきたが、前回から欧州議会の各会派が委員長候補を擁立して選挙に臨み、その結果を理事会が考慮して指名し、欧州議会が追認するシステムに変更された。
ウェーバー氏はメルケル首相が率いる与党・キリスト教民主同盟(CDU)と組むキリスト教社会同盟(CSU)に所属する欧州議会議員。EPPの代表を務めている。5日にツイッターで、ユンケル現委員長の後任となることを目指し、EPPの候補として出馬する意向を表明した。
EPPは10月17日まで欧州委員長の候補者登録を受け付ける。名乗りを上げたのはウェーバー氏が初めて。EPPは11月7、8日に開く会合で候補者を選び、来年5月の欧州議会選に臨むことになる。ウェーバー氏はEPPの候補者となり、欧州議会選で同会派が勝てば、次期欧州委員長に選ばれる可能性が高くなる。